
生成AIは様々なシーンで活用でき、とても便利なものですが、時にはもっともらしい顔をして「嘘」をつくことがあります。
もし、AIの言葉を鵜呑みにして間違った情報をSNSで発信してしまったり、仕事や買い物で失敗してしまったりしたら怖いですよね。
今、AIを使いこなすために一番必要なのは、回答が正しいかどうかを見極める「ファクトチェック(事実確認)」のスキルです。
この記事では、AIの出力が「ちょっと怪しいな」と感じた時に、誰でもすぐできるファクトチェックの基本と、正しい情報にたどり着くためのコツをわかりやすく解説します。
なぜAIの答えをそのまま信じてはいけないのか?
生成AIは、私たちが投げかけた質問に対して、まるで人間が書いたような自然な文章で答えてくれます。
しかし、ここで注意が必要なのは、AIは「真実を教えてくれる道具」ではなく、あくまで「次に続く言葉を予想してつなげる道具」であるという点です。
AIはインターネット上にある膨大な文字情報を学習していますが、その中には正しい情報もあれば、古い情報や、個人の思い込みによる間違った情報も混ざっています。
AIはそれらを組み合わせて「それらしい文章」を生成しており、中身が正しいかどうかを判断しているわけではありません。
その結果、AIが全く根拠のない嘘を、さも真実であるかのように堂々と語ってしまう現象が起こります。
これを専門的な言葉で「ハルシネーション(幻覚)」と呼びますが、簡単に言えば「AIの知ったかぶり」です。
自分の身を守る「ファクトチェック」とは?
情報の正しさを確かめる作業のことを「ファクトチェック(事実確認)」と言います。
もともとは新聞記者やテレビ局などが、ニュースを報じる前に行う専門的な作業を指す言葉でした。
しかし、誰もが簡単にAIで情報を知り、手軽に発信できるようになった今、ファクトチェックは私たち一人ひとりにとっても欠かせないスキルと言えます。
もし、AIが提示した答えをそのまま信じて、間違った情報を誰かに伝えてしまったり、仕事の資料に使ってしまったりすると、あなた自身の信用が失われてしまうかもしれません。
特に以下のような内容は、AIが間違いやすいため注意が必要です。
・最新のニュースや、ごく最近起きた出来事
・法律、医療、税金など、間違いが許されない専門的な知識
・個人の名前や、地元の小さなお店の詳細な情報
AIが教えてくれたことを正解だと決めつけず、「これって本当かな?」と一歩立ち止まって考える。
情報の根拠を自分の目で確かめる姿勢こそが、ファクトチェックの第一歩です。
【怪しいと思ったらここを見る!】ファクトチェック基本の3ステップ
では、AIの回答が「なんだか怪しいな」と感じたとき、具体的にどう動けばいいのでしょうか?
ここでは、ファクトチェックの基本となる3ステップを解説します。
1.まずは出典があるかを確認する
AIの回答の中に、情報の元ネタである「出典」が示されているかチェックしましょう。
最近のAIは、回答の語尾に小さな数字やリンクをつけて、どこからその情報を持ってきたか教えてくれることがあります。
そのリンク先が、知らない個人のブログやSNSではなく、官公庁や有名なニュースサイト、企業の公式サイトであれば、信頼度は一段階上がります。
もし出典がどこにも書かれていない場合は、AIが自分の記憶(学習データ)だけで語っている可能性が高いため、より慎重に扱う必要があります。
2.人名・商品名・具体的な数字は検索し直す
AIの回答に含まれている「人名」「商品名」「具体的な数字」などをコピーして、そのままGoogleなどの検索エンジンで検索し直してみましょう。
もしその情報が正しいなら、検索結果の1ページ目に同じ内容のニュースや公式ページが出てくるはずです。
逆に、検索しても全くヒットしなかったり、AIが言っていることと真逆の内容が出てきたりした場合は、AIが勝手に作り上げた情報の可能性が極めて高いと判断できます。
3.複数のAIに同じ質問をしてみる
最初に利用したAI生成ツールとは異なるAIに、同じ質問を投げかけてみるのもおすすめです。
例えば、ChatGPTに質問した内容や得た回答を、GeminiやCopilotといった別のAIにも聞いてみましょう。
複数のAIが同じ回答をしていれば、その情報の信頼性は少し高まります。
ですが、AIごとに言っていることがバラバラであれば、それは「ネット上でも情報が混乱している」か「AIが苦手な分野」である証拠です。
Z世代も実践している「正しい情報」にたどり着くコツ

上記で解説した3つのステップを試しても「まだ確信が持てない」ということもありますよね。
実は、デジタルに慣れているZ世代ほど、この後に「ある場所」を確認して最終判断を下しています。
今回は生成AIを活用している20代の男女402名を対象に、「AI検索の回答結果の満足度が低い場合、より納得・情報補填をするためにどうしていますか?(複数回答可)」と質問をしました。
すると『企業の公式ホームページを見る(211人)』という回答が最多の結果となりました。
2位が『サービスや商品のホームページ(189人)』、3位が『口コミ・レビューを探す(154人)』という結果になっています。
SNSよりも「Google検索」と「公式サイト」
若者はInstagramやTikTokなどのSNSで検索するというイメージが一般的かもしれません。
しかし上記の調査から、情報の正しさを確かめる場面ではSNSよりもGoogle検索を優先していることがわかります。
Google検索を経由して企業の公式ホームページや、商品・サービスのホームページ、専門メディアや口コミ・レビューへたどり着いているのです。
例えば、AIが「〇〇という商品は人気です」と情報を提示したとします。
ですが、Z世代でAIを活用している人の多くは企業の公式サイトを見に行き、「本当にその機能があるのか」「最新の価格はどうなっているのか」といった情報を自分の目で確認する=ファクトチェックを行っているのです。
ではなぜ「公式サイト」が選ばれるのでしょうか?
理由はシンプルで、公式サイトにはAIが省いてしまいがちな「一次情報」が載っているからです。
AIの回答はネット上の情報を切り貼りして短くまとめたものが提示されがちなので、どうしても細かいニュアンスや正確な根拠が抜け落ちてしまいます。
一方で、企業や専門機関が責任を持って発信している公式サイトには、企業が調査・実験したデータや記録といった一次情報が記されており、信頼性も高いです。
ただし、一次情報だからといって「正しい情報とは限らない」ということには注意しましょう。
一次情報として発表されているデータや報告に、発表元の意図的な加工がなされていることもあるからです。
正確な情報が必要なシーンほど、複数の情報源と比較し、チェックすることをおすすめします。
納得感が違う!「詳しい情報」と「客観的なデータ」を探そう

AIの回答を読んでも、なんだか物足りないと感じたことはありませんか?
実は、多くの人がAIの回答だけで満足できないのには、はっきりとした理由があります。
先程の質問に続いて、「情報補填の行動により信頼度が高まり、満足度を補完できた1番のポイントはなんですか?」という質問をしたところ、『詳しい情報が掲載されていた(32.6%)』に最も多く票が集まりました。
続いて『客観的なデータがあった(19.7%)』、『参考になる口コミがあった(17.7%)』が多く票を集めています。
上記の結果から、AIが得意とする「短くまとめた回答」だけでは、本当の意味で納得することは難しく、公式サイトで詳しい情報や客観的なデータを補ったり、参考になる口コミを見つけたりすることでようやく満足できる人が多いことがわかります。
これは企業のホームページやWebメディアを運営する側にとっても欠かせない重要点です。
AI検索が普及する時代だからこそ、ユーザーは「単なる正解」ではなく、その裏付けとなる「詳細さ」や「客観性」、「実例」をより強く求めているのではないでしょうか。
まとめ
AI生成はとても便利ですが、真実を教える万能な情報源ではなく、あくまで「次に続く言葉を予想してつなげる道具」です。
そのため、情報の正しさを自分の目で確かめる「ファクトチェック」の習慣が欠かせません。
ファクトチェックをする時は、ただ検索するだけでなく、開いたページに以下の要素が含まれているか確認してみましょう。
「いつ」公開された情報か?(古すぎるデータではないか)
「誰が」書いたのか?(専門家や責任ある企業か)
「根拠」は示されているか?(「〜だそうです」という噂レベルではないか)
今回の調査でも、デジタルに慣れたZ世代ほどAIを鵜呑みにせず、最後はGoogle検索で「企業の公式サイト」や「客観的なデータ」を確認していることが分かりました。
AIを賢く使いこなすコツは、それぞれの得意分野を理解することです。
生成AI: アイデア出しや、情報の要約、ヒントをもらう時に使う
Google検索: 信頼できる「一次情報」や「詳細な情報」を確認するために使う
「AIで効率よくヒントを得て、検索で正解を固める」
この使い分けを意識するだけで、誤情報に振り回されるリスクはぐっと減ります。
AIの便利さを活かしつつ、最後は自分の目で探し確かめるファクトチェックを行って、自分自身の判断をアップデートしていきましょう。





