プレスリリースは、企業や団体の情報を世の中に伝える重要な手段ですが、作成方法を誤ると逆効果を招くことがあります。

せっかく配信したプレスリリースの効果を最大化するためには、目的を明確にし、ターゲットに合わせた内容と構成を考えることが大切です。

本記事では、広報担当者が注意すべきプレスリリースのNG例と、その改善ポイントを解説します。

そもそもプレスリリースとは？

プレスリリースとは、企業や団体が自社の重要な情報を報道機関に向けて発信する公式文書です。

新商品やサービスの発表、イベントの開催、提携情報など、ニュース性の高い内容を伝える手段として広く活用されています。

プレスリリースの目的は、単に情報を提供することにとどまらず、メディアに取り上げてもらい、一般消費者や関心のあるターゲット層にリーチすることです。

なお、以下記事では、「プレスリリース」について、さらに詳しい解説をしていますので、そちらもぜひご覧ください。

プレスリリースのNG例7選

プレスリリースを作成する際には、注意すべき点がいくつかあります。

ここでは、広報担当者がよく陥りがちなNG例を紹介し、それぞれの改善方法を解説しますので、ぜひ参考にしてください。

1.興味を引かないタイトル且つ長すぎる

プレスリリースのタイトルは、記者や読者の関心を引く最初のポイントです。
そのため、長すぎたり内容が魅力的でなかったりすると、興味を引くことができません。

タイトルで関心を持たれなければ、どんなに内容が良くてもスルーされてしまうリスクがあるため、十分に考慮して付けましょう。

【改善ポイント】

タイトルは長すぎず、短すぎず、簡潔にすることが大切です。
文字数は20〜30文字程度が目安とされています。

その中で主要な情報を伝えつつ、ニュース性を感じさせる言葉を選ぶと効果的です。
読者が「続きを読みたい」と思うような魅力的なタイトルを心がけましょう。

2.リード文がわかりにくい

リード文は、プレスリリースの内容を要約する重要な部分です。

このリード文が曖昧だと、読み手に何を伝えたいのかが不明確になり、その後の本文にも興味を持たれにくくなります。

リード文では、情報を明確に伝え、読者が読み進めたくなるような内容を意識することが大切です。

【改善ポイント】

リード文には、5W1H（誰が、何を、どこで、いつ、なぜ、どのように）を簡潔に盛り込みましょう。

この5W1Hを意識することで、情報を明確にし、読み手がプレスリリース全体の内容を把握しやすくなります。

詳しくは以下記事ででわかりやすく解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。

3.広告表現や誇張表現をしている

プレスリリースは客観的な情報提供を目的としているため、広告のような表現や誇張表現は避けるべきです。

例えば、具体的な根拠がない「業界No.1」や「日本一」といった表現は、信頼性を損なう可能性があるため注意が必要です。

【改善ポイント】

プレスリリースでは、実績や数値に基づいた事実を記載し、主観的な表現や誇張を避けるようにしましょう。

作成時には、「主観が含まれていないか」「正確なデータに基づいているか」などを確認することが重要です。

なお、きちんとしたデータに基づいた「売上〇〇個」や「〇〇受賞」といった情報は問題ありません。

4.客観的でない表現をしている

前項でも触れたように、プレスリリースでは客観的な情報が求められるため、感情的な表現や偏った視点を避けることが重要です。

特に自社の強みを過度にアピールしすぎると、読み手に宣伝や広告のように捉えられるリスクがあります。

【改善ポイント】

プレスリリースでは、事実に基づいたデータを用い、客観的かつ中立的な視点で表現を行いましょう。
信頼性の高い内容であれば、メディアに取り上げてもらいやすくなります。

また、事実を正確に伝えることで、読者に対しても信用や安心感を与えることができます。

5.本文が長すぎる

プレスリリースは、情報を迅速に伝えることが求められます。
内容が長すぎると読者が途中で離脱する可能性があるため、注意が必要です。

プレスリリースを作成する際は、要点を簡潔に伝えるよう心がけましょう。

【改善ポイント】

プレスリリースでは、無駄な情報を省き、重要な部分を目立たせる工夫が重要です。

読者が短時間で内容を理解できるように、段落を適切に分け、視覚的に読みやすい構成を心がけましょう。また、要点がすぐに伝わるよう、見出しや箇条書きなどを活用すると効果的です。

6.専門用語・難しい言葉を使っている

プレスリリースでは、特定の人にしかわからない専門用語や難しい言葉の使用は避けましょう。
たとえ専門的な内容であっても、読み手に理解されなければ発信する意味がありません。

作成時には、誰にでもわかるような表現を心がけ、より多くの読者に伝わるよう工夫することが重要です。

【改善ポイント】

プレスリリースでは、簡潔でわかりやすい表現を心がけ、専門用語を使用する際には簡単な説明を加えると親切です。
特に業界特有の用語や略語を使う場合は、それらが一般の読者にも理解できるよう配慮しましょう。

また、難しい言葉や専門用語を使う代わりに、図やグラフを活用することで、内容を視覚的に伝えることができます。

7.連絡先・問い合わせ先が不十分

プレスリリースを読んだ記者が、さらに詳しい情報を求めて問い合わせを行う際、連絡先が不完全だと信頼性が損なわれる恐れがあります。

せっかく関心を持ってもらえても、対応が遅れると印象が悪化し、逆効果を招く可能性があるため注意が必要です。

メディアや取引先からの問い合わせにスムーズに対応できるよう、連絡先を明確に記載することが非常に重要です。

【改善ポイント】

プレスリリースには、必ず電話番号、メールアドレス、担当者名など、明確な問い合わせ先を記載しましょう。さらに、連絡が取りやすい時間帯や対応可能な時間帯を記載しておくと、より親切です。

どんなに小さな疑問にも迅速に対応できるよう、あらかじめ準備を整えておきましょう。

まとめ

今回は、広報担当者が注意すべきプレスリリースのNG例と改善ポイントを解説しました。

情報提供としての目的を果たすためには、内容が簡潔でわかりやすく、客観的で信頼性の高いものであることが重要です。

今回ご紹介したポイントを参考に、効果的な情報発信を目指し、より多くの読者に届くプレスリリースを作成しましょう。